「歩き方がわからなくなったようなんです。」
これは先日 脊髄小脳変性症(SCD)の患者さんの言葉です。
SCDの患者さんは単に歩行のバランスが悪いだけではなく、幼児期から学習し獲得した歩行方法を忘れてしまっている事がわかる言葉です。
「歩き方を思い出した!」
これはこの患者さんが2回ロボットスーツHALを使用された後におしゃった言葉です。HALの運動学習促進効果を的確にあらわしていると思いました。
まだまだ慎重な検討が必要ですが、治療法が限られている脊髄小脳変性症の患者さんを担当させていただく医師として、とてもとても嬉しい言葉でした。
KIMUNKAMUN
※追記
「下肢の感覚神経→HAL→正確な運動→→感覚神経→脊髄→脳 」というフィードバックをHALが誘導する正しい運動とともに繰り返すと、人間の脳の可塑性を促進することにより運動方法を学習させるので、HAL使用を止めた後も正しい運動をするようになる可能性があるようです。
当院では倫理委員会の承認を得て、今春から脊髄小脳変性症の患者さんにHALを使用させていただいています。(詳しくは当院ホームページをご覧ください)