『北のビジネス最前線』そして『医療用HAL®の応用』

 7月9日(日)当院及びサテライトクリニックに関するテレビ放映がありました。朝早い放送でしたが、多くの方に見て頂いたようで、患者さんやご家族に声をかけられたり、知り合いの先生からメールで感想を頂いたりしました。私も出演しましたが、放送を見ると、「自分はこんな声なんだな」「体型が‥」等、色々な意味でも勉強になりました(笑)。
 改めて私達の進むべき道を確認し、さらに真摯に取り組むべく、気持ちを新たに頑張る良い機会となりました。撮影時放送を御快諾いただいた患者の皆様、取材、放送をして頂いたHBCの皆様、関係各所の皆様、本当にありがとうございました。

 さて、放送内にもありました医療用ロボットスーツHALですが、当グループで運用されて8ヶ月が経とうとしています。すでに延べ30名もの患者さんがこの新たな治療を受けられました。当院では、適応8疾患を中心に診療しておりますが、様々な臨床研究も進めております。

  医療用HALに関しては、当院では現在脊髄小脳変性症に関して臨床研究が始まっておりますが、その一環として、パーキンソン病の患者さんにもこの度、臨床前研究として2名の患者さんにHAL治療を行いました。Aさん(70歳男性)は計3回、Bさん(75歳女性)は計6回、各1回40分の治療を行いました。結果として、お二人とも10m歩行試験で歩幅の改善(Aさん:5.3cm増、Bさん:9.9cm増)、速度の改善、2分間歩行試験でも歩行距離が延長(Aさん:29m増、Bさん:22m増)し、自覚的疲労強度も軽減しました。正しい姿勢での歩行を効率的に行い、反復練習することにより良好な歩行パターンを習得したことが歩行能力の向上に繋がったと考えられます。今後、さらにデータを蓄積し、患者の皆様に還元すべく研究も進めたいと考えております。

  医療用HALに関しては、ドイツより慢性期脊損患者さんに良好な効果を認めたとの報告がされております(そして保険適応となっております)。以前は、慢性期:症状が固定した状態と考えられ、積極的な治療が乏しかった病像、疾患でしたが現在は違います。神経筋疾患に関しても様々な効果があること、そして新たな治療展開があることを期待しております。

2017.7.11
濱田晋輔

 

  【本文内のBさんの結果】

栄養課

前の記事

『栄養課だより No.7』
医務部

次の記事

心の体力