神経難病といわれるいろいろな点で難しい病気を診ているので、患者さんとご家族に辛いお話しをしなければならないことがあります。同じ事実を伝えるとしても伝え方によって、患者さんを絶望させることもあれば希望を与えることもあります。
どんなに厳しいお話しをするときにでも決して希望のない話はしないようにしています。最悪の状況でもそれを分析して、最善の道を選択していく努力をします。告知は、治療と同じくらい大切な診療行為なのです。そして、告知をするということはそれ以降、その人に責任を持つということでもあります。
どんなに厳しいお話しをしたとしても、最後に患者さんが微笑んで前向きに部屋を出て行くことがあります。それは、その患者さんが強い人だったということもありますが、告知の仕方が間違いではなかったということでもあります。
告知は、難しい。これからも勉強です。
円山から夜明け
野中 道夫 Michio Nonaka, MD, PhD