今回はわりと真面目な話しです

当院のブログは年に数回、担当が回ってきます。今年はわりと真面目な話しをしたいなと思います。私は今年で42歳。かつては「初老」と言われており、「でも、まだまだ若い(つもり)」という気持ちでいましたが、“足の痺れ”、“土踏まずの痛み”、“首の痛み”、“髪の毛の張りがなくなり薄くなっているかも?”と日々体の異変に悩み始め、文字通り「初老」まっしぐらです。

ということもあり、先日「残りの人生でやりたいことmyリスト」を作りました。行ってみたいところ、食べたい物、やりたいこと、、、並べてみると、案外30個くらいポンポン出てきました。

「しまなみ街道を自転車で渡りたい」←これ今年中にやります。
「大谷翔平の試合を見にLAに行きたい」←これ来年行こうと計画中。
「有馬記念を生で見てみたい」、「k-popアイドルのコンサートに行きたい」

タイトルで「真面目な話し」と言っておきながら、自分のことばかり書き綴っていますね。一旦、話しの方向性を変えます。

先月、埼玉県にある国立リハビリテーションセンターとの共同研究の一環で、当院の多数の患者様にご協力して頂き、歩行計測を行いました。

患者様の目の前にある黒い物体にはタイヤと高精度のカメラがついており、患者様の歩行に合わせて一定距離を保ったまま自動で動いていきます。さらに下腿の筋活動を検知するセンサー、靴の中には荷重量を検知するセンサーが付いており、様々な角度から歩行状態を評価できます。

 リハビリ専門家は、いつもは“自分の目”や“触れた感覚”をもとに患者様の動きを観察し分析していますが、ヒトの目や手の感覚には限界がありますし、観察眼の力量差もたしかに存在します。このように通常臨床では捉えきれない様々な歩行データを見ることで、今までは気づかなかった患者様の歩行状態をより詳しく知り、リハビリテーションに役立ていくことをしています。

 データの中には「歩行速度」、「歩幅」など、わりと一般的にもイメージがつきやすいものから「筋肉の活動量」、「関節角度」、「歩行変数のばらつき」など少々マニアックなものまで並んでいます。

もしかすると、「数字だけ悪くなっていたとしても、なんとか歩けているから別にいい」、「そんな数字だけ良くなってもきちんと歩けるようにならないと意味がない」と思う方もいると思います。

確かにそうではありますが、「安全に長く歩ける」背景には、こういった数字はどれも重要な“要素”です。もう一つ付け加えると、別に「歩行速度が速くなること」、「歩幅が大きくなること」などが必要なことではありません。ひとによって、もともとのフィジカルの差、目標とする行動、病気や罹病期間の差があるので、そのひとに応じて目標とする歩き方は違って当然です。まずは、その違いと自分の理想的な歩き方を知ることが第一歩です。毎日1時間散歩していても、その努力に応じて歩行状態が良くなるという結果は必ずしも得られるわけではなく、こういった数字が良くなる歩き方を習得しなおし日々続けていくことが、「歩行状態を良くすること」、「病気の進行に対して歩行状態を維持すること」に繋がると思っています。

話しは冒頭の内容に戻りますが、「残りの人生でやりたいことmyリスト」のなかには、「これは体力のあるうちにやっておいたいいな」と思うことや「これは誰かに手伝ってもらえればいつでもできるな」というものもありました。私たちが患者様と目指していることのひとつは「歩行状態がよくなること」ではありますが、最終的な目標は「また〇〇ができるようになること」=「やりたいことリスト達成」の支援だと改めて感じています。リハビリ頑張りましょう!

医事課

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