ヒグマの件

今年は寅年ですがヒグマのお話を。昨秋、友人と行った山での出来事。山の稜線付近は30m/s以上の暴風が吹き荒れ、当てにしてたゴンドラは運休。私達は自力で林道を登る事にしました。既に3~4組が先行しているようです。ヒグマに我々の存在に気づいて頂けるよう時々笛を鳴らしながら歩いていた時でございます。

ふと、人の声を聞いた気がしました。友人も何か聞こえたと言います。すると次の瞬間、 林道の先から叫び声が聞こえました。例えますとゲゲゲの鬼太郎の目玉おやじのような甲高い声、しかも「クマだぁ〰️!」と言っとるようなのです!もしや先行者がヒグマと遭遇し、下にいるかもしれない登山者に対し大声で注意喚起してるのか⁉️ ヒグマは時速60km以上で走れます。不意に人間と出くわしパニック状態に陥ったヒグマが、猛然と私達の方へ林道を駆け下って来るオッソロシイ画が浮かびました。Oh,No hope . と、すぐ横の森から目玉のおやじの叫びagain!そこには強風に煽られ、大きく揺れる樹木の姿。隣り合う樹の幹と幹が擦れ合い、結構高めの音程で鳴ってました・・。

生きてる樹木同士がこすれる音は目玉おやじの声に似ている(場合もある)。山中深くなってきて稜線に近づいた頃、トドマツの幹にヒグマの爪痕が刻まれていました。新しいモノではない様でしたが、「これ以上無理に進むなとヒグマに言われてる気がするわ」と友人が呟き、そこから来た道を引き返しました。キムンカムイ(アイヌ語で山の神=ヒグマ の意)よ、無事帰してくれてありがとう。皆様におかれましては、間抜けな話に多少なりとも和んで頂けましたら幸いです。

支援部Y

地域医療支援部

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