地元余市町にあるシリパ岬。今から遡ることおよそ670万年前、この一帯で海底火山が噴火。海の中に噴出した膨大な量の溶岩等が地殻変動により徐々に隆起し、海底だった所が地表に現れたという、壮大な地球の歴史が刻まれた大スペクタクル的な生い立ちを持ちます。 標高は約297m、日本海に突き出た断崖絶壁の岬です。余市町民にとっては、毎月届く広報よいちの表紙を長いこと飾り、部活の定期演奏会やフォークダンスの発表会などでお世話になる中央公民館ステージの、緞帳に描かれている等々、シリパ岬又はシリパ山といえば、大変馴染み深い存在です。
当院に入職して間もない頃、外来診察室の前の廊下に掛けられている絵画に、シリパが描かれているのを発見した時の嬉しさは、今も良く覚えています(旧病院の話です)。夏至の日、「ある場所」から望むとシリパの頭に夕日が沈むと聞いていましたが、確かめたことはありませんでした。 そしてついに!これは今年の夏至【の翌日😱💦】の画像です。荘厳な光景に見とれシャッターチャンスを逃す支援部Y。正気に返って激写しましたが、御覧のように夕日はすっかり落ちております。
その「ある場所」とは、およそ3500年前の縄文時代後期と推定される遺跡、余市・西崎山ストーンサークルなのです。この環状列石は、数十年・数百年をかけて、幾世代にも渡り石を環状に並べていって作られたのではないかと考えられています。土中から脂肪酸とリンが検出されており、哺乳類の遺体が安置されていたようです。ヒトであればお墓か、もしくはアイヌ民族に伝わるイヨマンテ(熊送り)の様な、何らかの祈りの儀式が行われていた場所ではないかと推測されています。
ストーンサークルのある西崎山のふもとにある、2000~1500年前の続縄文期の遺跡・フゴッペ洞窟(海が今より内陸に入り込んでいた頃の海蝕によって出来た洞窟の壁に、【翼のある人】や【動物】等数百点に上る刻画が残されています)と共に、知る人ぞ知るパワースポットです。3500年前に生きた縄文の人々も、夏至の夕方、頭に太陽の冠を載せて輝きを放った後、空と海の美しい色彩のグラデーションに浮かび上がるシリパの神秘的な姿を見て、ここを大切な祭祀の場所と決めたのかも知れません。
注)私は余市町の広報担当ではありません。
支援部 Y